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コラム12 <裏打ち講習会 2009.10.10>   修復本科 川原淳子

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 2009年10月、NPO書物研究会理事の辻本多鶴子さんより講座生5名で裏打ちを教わりました。発端は2009年の夏期講座。宇佐見修徳堂 宇佐見直治先生の講演を聞き、アイロンで接着するシートでの裏打ちしか経験のなかった私達は、以前から持っていた「本当の裏打ちをしてみたい」という思いがいっそう強くなりました。それで、表装の経験の深い辻本さんに講習会を開いていただけないかとお願いしたのでした。
 当日は辻本さんのお宅にお邪魔しました。2階がアトリエのようになっていて、そこに大きな板を載せた机を並べて準備万端整え、生麩糊も炊いておいてくださいました(糊を炊くのはホウロウ鍋がよいそうです)。
以下当日の手順です。今回は「送り裏」という方法を習いました。


<手順>

1. 布と裏打ち用和紙(美濃紙・中肉)をカット 
布の耳がある場合はつれないように5cmおき位に切り込みを入れ、横糸も抜いておく
和紙は布より四方1.5〜2cm大きくカット
2. 布は裏を上にして左側に、和紙は表を上にして右側に、並べて置く(写真1)
布に霧吹きで水をかけ(かけすぎないように注意)水刷毛で全体を湿らせる
和紙の布側の辺を1〜1.5cmほど折り返し、布と和紙の間に糊を一筋塗り(写真2)、そこに折り込んだ和紙を真ん中から上、下にのばし板に固定する


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写真1
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写真2

3. 糊付け
糊刷毛を使い和紙に糊をつける
まず和紙の固定したところに縦に一筋、真ん中より少し上から下へそして上へ
その後和紙の中心を横に一文字に、その後上斜め下斜めに「横ハの字」形に(写真3)もう一度左端から右端へ縦に塗り、和紙に満遍なく糊がついているか確認する
最後に刷毛で横に余分の糊をとる
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写真3
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写真4
4. 和紙を布に貼る
左手で和紙の右端に竹尺を天を合わせて置き和紙をゆっくり持ち上げる(写真4)
右手には撫刷毛を持っておく
和紙を布の上へかぶせる 和紙はあまり高く持ち上げない

布との間に空気が入るので撫刷毛で上下に撫でて空気を抜く(写真5)
打刷毛でしっかりと打ち込み、和紙と布を密着させる(写真6)
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写真5
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写真6

5. 仮張板に貼り付ける
表に返し、和紙の回り四方に糊をつけて(写真7)、あとで剥がしやすいように和紙紙片を挟み、表(布側)を板に向けて仮張板に貼り付ける
撫刷毛でまず四方をしっかりとつけて、その後全体を放射状に撫でる(写真8)
この状態で10日ほど(季節によっては少し長く)おく(写真9)
剥がすときは、和紙を中に入れたところからヘラを入れて剥がしていく

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写真7

写真9
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写真8

 
 後日、辻本さんが布を板からはがして教室まで持ってきてくださいました。打ち込みが足りなくて和紙が少し浮いてしまっている部分があったり、まだまだ修行が必要ですが、自分で仕上げた裏打ち、大切に使いたいと思います。
今後は習ったことを復習しなくては。

 最後になりましたが、講習会を快くお引き受けくださり、わかりやすくまた楽しく教えてくださいました辻本さんにこの場を借りてお礼を申し上げます。

<参考文献 >
『増補版 誰れでもできる裏打のすすめ』薮田夏秋著 日賀出版社                              

文責 川原淳子
校正 辻本多鶴子

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